このブログは、新卒入社した企業の知財部で働く転職初心者だった私が、実際に同職種への転職を目指して転職活動をした経験をもとに書いています!!
知的財産に関わる仕事に興味があるけど、今すぐ転職したいってわけでもないんだよな…転職サイトに登録するのはまだ早いよね?
弁理士資格の有無にかかわらず、企業知財部や特許事務所など知財職での転職を検討されている方は多いですよね。今回は、弁理士試験のお勉強からちょっと離れて、知的財産職への転職のお話です♥
- 企業の知財部や特許事務所への転職の注意点
- 転職の決意ができていなくても転職活動を始めるべき理由
- 転職サイト・エージェントの選び方と使い方
私自身、実際に複数の転職サイト・転職エージェントを利用して知的財産職への転職活動を行っています。(私にとって初めての転職活動です)
▼私が転職活動を始めた経緯はプロフィールをご覧ください。
この記事を読むことで、企業の知財部や特許事務所への転職の始め方がわかります。
知的財産に関わる就職先の種類
まず、知的財産に関わる仕事としてはどのようなものがあるかから説明します。
知的財産に関わる就職先としては主には特許事務所か企業の知財部のどちらかです。
▼他の知財関連の就職先についてはこちらの記事で紹介しています。
上の記事では、弁理士の就職先として紹介していますが、無資格者でも基本的に同じ職種に就職することができます。
特許事務所・企業の知財部も、もちろん弁理士資格を持っていない方でも働くことができます。
知財部や特許事務所への転職は他の職種とは大違い?!
私は現在、新卒採用で就職した企業の知財部で働いており、他の企業の知財部への転職を検討しています。つまりこれが初めての転職活動です。
初めて転職活動をするにあたって、インターネットなどで情報を集めてみたのですが、知財職の転職活動は他の職種とは全然違うということがわかりました。
そのため、一般的な転職に関する体験談はあまり参考にならないようです。
さらに実際に転職サイト・転職エージェントに登録して転職活動を始めてみると、さらに知らなかったことがたくさんで…私のような、知財職への転職初心者の方の役に立つような記事を書いてみようと思いました。
私が感じた、知財部や特許事務所への転職が特別な理由は主に下記の2つです。
求人数が全体的に少なく、狭き門!
特許事務所の求人も少ないですが、企業知財部の求人は特に少ないです。
自分が企業の知財部で働いているので多少予想はしていましたが、それを超えるレベルで求人数が少ない!!(涙)
▼企業知財部の仕事について
上記の記事でも触れていますが、企業知財部は開発部からの異動などで人員補充されることも多いです。中途採用が少ない理由の1つと考えられます。
知財戦略に力を入れ始めたタイミングで、大手企業がまとまった人数で募集をかけるケースはありますが、毎年コンスタントに求人を出している会社は少ないようです。
気になる会社があって、研究開発職で検索すると求人が出てるのに、知財職では出ていないことは多いです…
また、企業知財部・特許事務所共通して、一般的な大手求人サイトで閲覧できるような公開求人が少ないということもわかりました。
このあと紹介するように、非公開求人を多く抱える、知財職に特化した転職サイトや転職エージェントを活用する必要があるということがわかりました。
転職限界年齢は他職種より高い!
これまでは、「35歳転職限界説」というのが一般的で、もちろん転職に年齢制限はないものの、35歳超えると転職は不利になるよね…という暗黙の了解がありました。
大手転職サイト「ビズリーチ」の調査によると、近年はこの説が崩壊しつつあるそうです。(「35歳限界説」はもう古い? 35歳以上の採用が急増している4つの理由)
知財業界では、まだまだ35歳転職限界説が根付いているのか、それとも最近の流れのようにミドル世代の採用が増えているのか、複数の転職エージェントの担当者に単刀直入に聞いてみました。
すると、「もちろん若い方が有利であることに違いないが、採用率に差が出始めるのは40歳くらいで他の業界よりは遅い」との回答が多かったです。
そもそも、大学卒業後の新卒採用で企業の知財部や特許事務所に就職する人数が少ないこともあり、職種全体の年齢層が高いことが原因のようです。知財部や特許事務所では35歳未満はまだまだ若造だからということですね。
弁理士資格があれば無敵?!
さらに転職エージェントの担当者曰く、知財職経験者で弁理士資格を持っている場合、40歳以降になっても転職しやすい状況が続くだろうとのことでした。少数精鋭だからこそ、どの企業や事務所も即戦力になる経験者・有資格者を求める傾向は続くだろうからとのことです。
また弁理士資格があれば、若くて実務経験がなかったり浅かったりしても有利な状況となると考えられます。
実際に私も転職サイトのプロフィール欄に「弁理士試験に合格したこと」を書いたところ、ハイクラス向け転職エージェントの担当者から複数スカウトが来るようになりました。
その当時私は、まだ年収も低く実務経験も浅い状態でした。普通はそのような転職エージェントのターゲットとなる求職者ではなかったと思います。
このことから、実務経験がほとんどなくても弁理士資格を持っていればハイクラス(たとえば年収800万円以上の知財職)への転職ができる希望があるということだと考えられます。
▼これを聞いて弁理士資格取得に興味を持った方へ
知財部や特許事務所への転職で注意すべきポイント
ここまで、知財部や特許事務所への転職活動が他の職種と異なる点を解説してきました。これを踏まえて、注意するべきは3つあります。
いずれも転職サイト・転職エージェントに関するものです。
- 転職サイト・転職エージェントに登録するタイミング
- 登録する転職サイト・転職エージェントの選び方
- 転職エージェントの使い方
順番に解説していきます。
転職サイト・転職エージェントに登録するタイミング
このブログを読んでいる方の中には、「もう今の会社無理だ!今すぐにでも転職したい!!」という方もいらっしゃると思います。
一方で私のように、
- 仕事内容は気に入ってるんだけど、嫌な先輩がいてちょっとしんどいな…
- なんか今の会社の方針に違和感感じるなあ…他の会社も同じなのかな…
- 結構残業してるけどお給料ってこんなものなのかな…
こんななんとなくの気持ちから、「転職すべき…?」という気持ちが少しわいてきた段階の方もいると思います。
私も転職初心者だったのでわかるのですが、転職の決心がついてない段階で転職サイト・転職エージェントに登録するのってハードル高くないですか?
- 登録したら電話が鳴りやまなくて、すごく時間取られるのかな…
- 登録していまの会社にばれることないのかな…
- すぐ転職するかわからないって言ったら迷惑かけるかも…
とか色々考えてしまいますよね。
「転職すべき?」と興味を持ったときが登録のタイミング
前述したように、企業知財部や特許事務所の求人は少なく、狭き門です。
つまり、他の職種と比較してすぐに自分の希望にマッチする求人に出会える可能性が低いです。また求人を見比べようにも絶対数が少ないため、どんな会社・事務所がどんな人材を求めているのか傾向を掴むのに時間がかかります。
自分の市場価値を見極め、納得できる企業に応募するためには、上記の情報を収集する時間が必要です。
なので可能であれば今すぐ転職したい!となってからではなく、「転職した方がいいのかな?」とちらっとでも思った段階で転職活動を開始するのがおすすめです。
転職の決心がつく前に登録するのは当然
でも、すぐ転職するかわからないのに登録したら、転職エージェントの担当者の方に迷惑かけるんじゃ…
特に過去に転職経験がなく、転職サイト・エージェントに登録していない状況は、自分が勤める以外の会社が求める人材の情報も、自分のその業界での市場価値も全くわからない状況です。
それらの情報を得たうえで転職するかどうかの最終判断をするのは当然なので、転職サイト・転職エージェントに登録したからと言って、すぐに転職する必要はないですし、仮にすぐに転職を強要してくるエージェントがいたら縁を切るべきです。
転職サイトに登録して求人を眺めてみる、転職エージェントと面談してみるだけでも視野が広がったり、自分の市場価値が明確化されることで、方向性が定まることもあります。
すぐに転職する気がなくても、よりよい転職先を探すために常に転職エージェントと接触を持ち続けている人は多いです。(実際に私もその1人)
登録して転職活動を始めてみた結果、今より良い職場だと確信が持てる会社に出会えなければ、その時点で転職をしない選択をすればよいだけです。私自身、他の職場と比較してみて今の職場がそこまで悪くないということに気づかされました。
転職にはリスクがありますが、転職活動にはリスクはありません!つまり転職サイトや転職エージェントに登録すること自体にはリスクはありません。
なので、いつかの私のように深く考えすぎずに、気軽に転職サイト・転職エージェントに登録してみることをおすすめします。
登録する転職サイト・転職エージェントの選び方
知財職に特化した転職サイト・転職エージェントを選ぶ
前述したように、企業知財部・特許事務所共通して、一般的な大手求人サイトで閲覧できるような公開求人が少ないです。
そのため、非公開求人を多く抱える、知財職に特化した転職サイトや転職エージェントを活用する必要があるのです。
▼おすすめの転職サイト・転職エージェントはこの記事で紹介してます
転職サイトだけでなく必ず転職エージェントにも登録する
また、私は転職サイトだけではなく必ず転職エージェントを使うべきだと考えています。
転職サイトだけでなく転職エージェントを使うメリットは、下記のようなものがあります。
- 転職サイトには表示されていない非公開の求人にアクセスできる
- 条件や要望に合う求人データを選別して送ってもらえる
- 面接の日程調整や給与交渉などを代行してくれる
- 応募時に履歴書の添削・面接練習をしてくれる
しかも転職エージェントの利用料は基本的に無料です。
「転職エージェントに頼むと、企業が手数料を払わないといけなくなるから、直接応募する人に比べて採用率が落ちる」って噂を聞いたんだけど…
確かにそれも一理あります。業界に精通し、しっかり自己アピールできる自信のある転職経験者は、転職エージェントを使わず応募する方が効率的で採用確率も上がるケースもあります。
しかし、私のような転職初心者にとっては、間に立って自分の希望に合う企業や事務所を一緒に考えてくれたり、応募時に交渉まで関わってくれたりするエージェントがいる方が納得のいく転職活動になると考えています。
特に知財職は、インターネットで検索しても知財業界の転職情報はなかなか得られませんし、公開求人の数も少ないです。転職エージェントからの情報は貴重です。
また、私が上の記事で紹介した転職エージェントの方々は、企業側とも密にコミュニケーションをとっており信頼関係を築いている印象でした。企業としても信用のおける転職エージェントの紹介であれば手数料を理由に採用を見送る可能性は低いと考えます。
転職サイト・転職エージェントは複数登録する
上記の「おすすめ転職サイト・転職エージェント」の記事で、複数の転職サイト・転職エージェントを紹介していますが、その中から1つを選ぶのではなく複数のサイト・エージェントに登録するのがおすすめです。
私自身、その記事で紹介している全ての転職サイト・エージェントに登録しています。
特に知財業界は非公開求人も多いため、特定の転職サイト・転職エージェントでしか閲覧できない会社・事務所もあるためです。
また転職エージェントには合う・合わないがありますし、所属の異なる何人かの担当者と面談してみて自分とフィーリングの合う方を見つけるのがおすすめです。
転職エージェントの使い方
現在の勤務先の評価や、自分の価値観・市場価値を知るために利用する
初めての転職活動では、自分が勤める以外の会社の情報も、自分のその業界での市場価値も全くわからない状況です。
そんな状況では自分の希望する条件に、現在の勤務先が相対的にどれくらいマッチしているのか、他の会社と比べないとわかりません。実際に転職エージェントと相談して自分の希望に近い会社を紹介してもらって初めて現在の勤務先の良さに気づき、転職しないという判断になることもあると思います。
例えば、転職活動をしていないAさん、年収・勤務地・仕事内容の希望全てを満たす、図の★印の企業が理想で、今の会社に不満がありますが、行動を起こせずにいます。
そこで転職活動を行って、同業他社の条件を見比べた結果、自分の理想をすべて満たす会社はないと知ります。相対的には今の会社が自分の希望に一番近いことがわかりました。
これは一例ですが、私自身の場合も近いことが起こりました。私自身は転職活動を開始してから半年ほど転職エージェントと密に連絡を取りながら多くの求人を紹介してもらっていました。
しかし、担当者の方との相談で自分の今後のキャリアについて深く考えたり、他社の求人と見比べたりしている中で、今の自分にとっては現在の勤務先は割と恵まれている方だということに気づきました。
担当者の方も、今の会社は相対的にはとても良い会社だから転職は慎重に考えた方がいいと言ってくれて、半年で一旦転職活動は保留することにしました。
転職させた方がエージェント担当者の成果につながるはずなのに、目先の利益ではなく企業・求職者の信頼を重視されていることを実感しました。
私のように結果的には、すぐに転職する判断にならないこともあるかもしれませんが、転職活動をしてみなければ、自分の本当の希望条件にも今の会社が恵まれていることにも気づけませんでした。
転職エージェントは、このように現在の勤務先の評価や、自分の価値観・市場価値を知るために活用することができます。
短期決戦だけでなく長期的な目線で利用する
- 既に転職エージェントに登録する段階で、今すぐ転職したいと考えていた方
- 転職エージェントに紹介してもらった求人にびびっと来た方
は、もちろんすぐに応募することでよいですが、ここまで紹介してきたように、知財職の転職はすぐにはその判断がつかないことも多いです。
しばらく転職活動を続けてみたけど、
- 希望条件に当てはまる求人がなかった
- 今出ている求人を見ただけでは自分の希望が具体的に定まらなかった
- 希望の求人はあったけど、応募資格が弁理士資格保有者優先だった
のような状況になることも多いと考えられます。
そんな時に、やっぱり知財職への転職は難しいんだ、とすぐに諦めてしまうのではなく転職エージェントとコンタクトを取り続けることをお勧めします。
私自身、前述したように今は転職活動を保留しているのですが、担当者とは定期的に面談してコンタクトを取り続けています。
今の会社が比較的希望に合っていることは実感したものの、今の会社に対して「もっとこうだったらいいのに」「こんな仕事もしてみたい」などの希望はあります。
そのため、自分の希望に合った求人が出たらすぐに連絡をもらえるように伝えています。こうすることによって、いざ希望の求人が出たらすぐに動ける状況を作っています。
1年ほどその状況を続けていますが、新しい(今まで紹介されなかった)企業の求人も頻繁に紹介されます。知財職の求人は毎年コンスタントに出るわけではないので長期的にコンタクトを取り続けることで自分の希望の求人に出会える可能性が高まります。
知財職は比較的年齢が上がっても採用率が下がらないとのことなので、慌てて転職するのではなく、長期的な目線で活用するのもアリだと思います。
また、弁理士資格を取得すれば40歳以降も採用の可能性が高まるとのことですので、エージェントと連絡を取りながら並行して弁理士試験勉強を行うのも選択肢の1つです。合格すれば確実に紹介される求人の内容も変わります。
定期的な面談で自分の近況や希望条件をアップデートする
転職エージェントに登録しても、そのまま放置しているだけだと意味がありません。転職する気が薄いのに登録しているだけの状態は、冷やかしと同じで担当者に迷惑をかけてしまいます。
自分の近況や希望条件に変化があれば、定期的に面談を依頼して情報をアップデートします。そのうえで最新の希望に合った条件の求人があれば、実際に転職する気持ちがある旨をしっかり伝えましょう。
知財部・特許事務所への転職活動の注意点と始め方まとめ
私自身、転職活動を開始してからまだどの企業にも応募していないので、最終的な転職活動の成功談を聞きたい方には参考にならなかったかもしれません。
でも、「転職したいかも…」と思い始めた方にとっては、背中を押せる内容になっていたと思います。
転職についてちょっとでも考えた時が転職活動の始め時です!
下記の記事の転職サイト・転職エージェントにいくつか登録してみることがおすすめです。
自分はまだ弁理士資格を持っていないから…若くて実務経験が浅いから…とためらわずに、最初の一歩を踏み出してみてください。
また、弁理士資格を取得することで転職市場での選択肢が広がることも事実です。しっかり勉強して一発合格を果たし、私と一緒に楽しく転職活動をしましょう!
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