このブログは、知識ゼロの特許初心者だった私が、OLとしてフルタイムで働きながら弁理士試験に一発合格した経験をもとに書いています!!
最近、弁理士試験では判例に関する出題が増加してると聞きました…。でも知的財産に関する判例って無数にあるし、その中から出題される可能性のある判例をどのように効率的に勉強すればよいかわからないです。
今回は、弁理士試験に一発合格するために必要な「判例」の勉強法について解説します♥
- 弁理士試験における判例の効率的な勉強法
- 判例を勉強するのにおすすめの書籍と具体的な活用法
この記事を読めば、判例の具体的な勉強法がわかります。
この記事記載の方法を実践していただければ、私と同じように「判例が出たら秒殺!」と思えるくらい自信がつくと思います!
判例の勉強に使うべき書籍をすぐに知りたい方はこちらでジャンプできます。
弁理士試験に一発合格するための判例の効率的な勉強法
弁理士試験に一発合格するためには、判例の重要なポイントを抑えて効率的に暗記しなければなりません。
そのためには争点を理解して射程を暗記することが大切です。
判例の争点の理解
判例には必ず争点があり、条文等の言葉の解釈が分かれる点が争点となっています。
まずは、その判例において、どの条文のどの記載が争点になったのかを理解しましょう。
例えば、弁理士試験頻出の「ボールスプライン事件」(最高裁判所判決 1998年2月24日)という最高裁が均等論の条件に関して総合的な判断を示した事件を例にします。
この判例では、特許法第70条第1項の「特許発明の技術的な範囲は、特許請求の範囲に基づいて定めなければならない。」という記載が争点になっています。
判例の射程の暗記
判例の射程とは、”裁判理由に記載された一般的法命題を適用することが妥当な範囲”を指します。
判例で示された要件をすべて満たしていなければ、その後の事例に判例を適用すべきではありません。
つまり弁理士試験で出題された際、問題に登場する事例に判例を適用するべきかどうかは、その判例の射程内かどうかで判断する必要があるということです。
そして射程内かどうかは、判例で示された要件が
- 全て漏れなく揃っているか
- 要件の中身が正確か
の二段階で確認することが効果的です。
そのため、射程を暗記する際にも
- 判例で示された要件の数を暗記する
- それぞれの要件のキーワードを暗記する
と二段階で暗記することが効率的です。
例えば、先ほども例に出した「ボールスプライン事件」について勉強するとします。
この判例では、均等論の条件が示されています。
特許請求の範囲に記載された構成中に対象製品または方法(「対象製品等」)と文言上異なる部分が存在する場合であっても、
- 当該部分が特許発明の本質的部分でなく;
- 当該部分を対象製品等におけるものと置き換えても、特許発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏するものであって;
- 上記のように置き換えることに、当該発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が、対象製品等の製造時点において容易に想到することができたものであり;
- 対象製品等が、特許発明の特許出願時における公知技術と同一または当業者がこれから上記出願時に容易に推考できたものではなく;
- 対象製品等が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情がない場合は、
当該対象製品等は、特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属するものと解すべきである。
「ボールスプライン事件」判決より
まず、条件が①~⑤の5つあるということを暗記します。
その後、それぞれの要件について上記のマーカー部分をキーワードとして暗記します。
短答試験ではここまでで十分です。
論文試験対策では暗記したキーワードから上記のような判決要旨の文章を自分で書き起こせるようにする必要もあります。
このようにして、判例を効率的に勉強していくことが重要です。
弁理士試験に一発合格するためにどの判例を勉強するか?
また、弁理士試験に一発合格するための判例勉強法には、もう1つ重要な点があります。
それは、たくさんある判例の中から、頻出の判例に絞って、暗記することです。
判例の中で最も重要で弁理士試験でも頻出であるのは最高裁判例です。
しかし、下級審判例(地裁判例・高裁判例)の中でも重要なものは存在し、実際に過去出題もされています。
私の経験から、LEC等の予備校のレジュメに登場する判例に加えて、正林真之先生監修の書籍「知的財産法判例教室」にのっている判例をしっかり抑えていれば十分合格点を狙えると考えます。
正林真之先生監修の書籍「知的財産法判例教室」を使う理由
私がなぜ「知的財産法判例教室」をおすすめするかというと、この本が学問書ではなく、試験対策本だからです。
判例の完璧な理解を目的とせず、弁理士試験で得点になるエッセンスやキーワードを紹介することに焦点が当てられている、まさに一発合格を目指す人のための本です。
本の「はしがき」には「試験に合格しなければ意味がない、じっくり学びたい人にはこの本は不向き」とまで記載されています。
この本には、厳選された特許・実用新案68例、意匠9例、商標34例の判例が紹介されています。
そして各判例について、
- 判事事項
- 判決要旨
- 関連条文
だけでなく、
- 短答でのポイント
- 論文エッセンス
- キーワード
という項目があります。
このように厳選された少ない判例について、弁理士試験対策で理解・暗記すべき最低限の内容が凝縮されてまとめられている点が最大のメリットだと考えます。
知的財産法判例教室を用いた判例の具体的な勉強法
最初に紹介した「判例の効率的な勉強法」に基づき、知的財産法判例教室のどの項目を活用すべきか具体的に紹介します。
まずは「判事事項」「判決要旨」「関連条文」を一読して、どの条文のどの記載が争点になり、どういう判断が下されたのかを理解しましょう。
次に判例の射程を抑えるために、「短答でのポイント」「論文エッセンス」の項目を参考に要件の数と、判決要旨において下線されているキーワードを暗記しましょう。
本当にこれだけで十分です!
弁理士試験に一発合格するための判例勉強法まとめ
弁理士試験対策において、判例を効率的に勉強するためには、「争点を理解」し、「射程を暗記」することが重要です。
抑えるべき判例は、予備校の基本レジュメに記載の判例に加えて、正林真之先生監修の書籍「知的財産法判例教室」にのっている判例までカバーすることがおすすめです。
この記事を読んで勉強し、みなさんが「判例が出たら秒殺!」と思えるくらい自信がつくと嬉しいです。
頑張りましょう!!
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さくら🌸