このブログは、知識ゼロの特許初心者だった私が、OLとしてフルタイムで働きながら弁理士試験に一発合格した経験をもとに書いています!!
弁理士試験に絶対に一発合格したいんです!具体的な勉強法以外に気に留めておくべきこととかありますか?
今回は、弁理士試験の勉強を超効率的に行うために必要な考え方を紹介します♥
- 効率的な弁理士試験勉強に必要な2つの視点(体系軸と逐条軸)
- 2つの視点が必要な理由
- 2つの視点を踏まえた具体的な勉強法
私は弁理士試験の勉強を進める中で常にこの考え方を意識していたことが、効率的に勉強を進められた最大のポイントだと考えています。
これから勉強を始める方、勉強を始めたものの思うように勉強が進まず悩んでいる方に、基本的な考え方をお伝えしたくて書きました。
この勉強法に沿った講座や教材があるかを判断材料にできるため、この記事を読むことで予備校選びにも役立つと思います♥
弁理士試験に働きながら一発合格するためには超効率的な勉強法が不可欠
働きながら、知識ゼロから一発合格(短期合格)するためには、いかに少ない勉強時間で知識ゼロから合格ラインまでレベルアップできるかが鍵になります。
弁理士試験合格者の平均勉強時間は約3000時間と言われていますが、これは1年半で合格すると仮定しても毎日5時間以上勉強しないといけない計算になります。
働きながらでこれだけの勉強時間を確保するのは現実的ではないですよね。つまり普通の勉強法では働きながら一発合格することはまず不可能です。
そこで、超効率的に勉強して、合格までに必要な勉強時間を大幅に減らすことが最も重要です。私自身、働きながら一発合格しましたが、総勉強時間は約1000時間でした。
これだけの勉強時間で済んだのは適切な予備校を選択し、かつ超効率的に勉強を進めることができたからだと考えています。
効率的な弁理士試験勉強のカギ:常に2つの視点を持つ
私は自身が一発合格した経験から、弁理士試験の勉強を超効率的に進めるために必要なことは、「体系軸」と「逐条軸」の2つの視点を持っていることだと気づきました。
これは、知的財産法という大きくてよくわからない敵と戦うときに、敵の全容を把握するために、横から見る視点と、上から見る視点を持つというイメージです。
と言ってもまだ何のことを言ってるかわからないですよね。それぞれの視点について具体的に説明します!
弁理士試験合格に必要な体系軸と逐条軸とは
体系軸
弁理士試験は法律の試験であり、法律は条文の集まりでできています。
体系軸とは、大きな枠組みの中での各条文の位置づけと関連を見る視点のことです。
知的財産法を真正面から確認して全体像を把握する、上のイラストでいうと勇者の立ち位置です。
知的財産法を真正面から見ると、下記の6つの法律からできていることがわかります。
もっと敵に近づいて特許法にフォーカスして見てみましょう。
先ほどの図の左上にある特許法は、大きなテーマとして下記のような枠で捉えることができます。
もっと1つ1つの条文のパーツが見える程度まで近づいて見てみます。
例えば、上の図の上から2段目真ん中の「実施権」のテーマにフォーカスしてみます。
このように、通常実施権の条文である特許法第78条は、専用実施権を規定した77条と対比されます。また、法定通常実施権や裁定通常実施権を規定した各条文とも関連します。
上の図では簡略化のために「実施権」のテーマにのみ絞って図解していますが、特許法78条に関連する条文は、他のテーマに含まれる条文にも存在します。例えば、「特許前の法的保護」のテーマに含まれる「仮通常実施権(34条の5)」とも対比されます。
また特許法以外の意匠法や商標法の法域に含まれる条文にも存在します。例えば、意匠法にも通常実施権があり意匠法28条で規定されているので関連します。
このように、大きな枠組みの中での各条文の位置づけと関連を見るのが体系的視点です。
この図からもわかるように関連する条文同士であっても条文番号が離れているため、逐条軸でだけ勉強していると対比したり関連させて頭に入れることが難しいのです。
一方で体系軸で見ると、関連する条文や、対比になる条文を整理された状態で見ることができることがわかります。
逐条軸
逐条軸とは、1つ1つの条文そのものの細部に着目し、深く掘り下げる視点です。
知的財産法を真上から見てその奥行を把握する、上のイラストでいうと忍者の立ち位置ですね。
具体的には、条文そのものの細部に着目する切り口としては下記のようなポイントが挙げられます。
- どんなキーワード(単語)が登場するのか
- 要件(主体、客体、時期、手続)、効果は何か
- 他の条文を準用しているのか
- 語尾は「~できる」なのか「~しなければならない」なのか
- 「但し書き」「かっこ書き」「除き書き」のような例外規定はあるのか
例えば、先ほど注目した特許法第78条は下記の通り規定されています。
第七十八条 特許権者は、その特許権について他人に通常実施権を許諾することができる。
2 通常実施権者は、この法律の規定により又は設定行為で定めた範囲内において、業としてその特許発明の実施をする権利を有する。
特許法第七十八条
さらに条文を深く掘り下げる切り口としては下記のようなポイントが挙げられます。
- 条文の趣旨
- 出てくる単語の定義・解釈
- 関連する判例
弁理士試験は法律の試験なので、このような1つ1つの条文の深い理解が求められます。
弁理士試験合格になぜ2つの視点が重要なのか
弁理士試験は法律の試験なので、知的財産法の条文を隅から隅まで理解し、暗記すれば合格できるはずです。
その意味では逐条軸の理解だけで十分なのではとも考えられます。
しかし、働きながら一発合格を目指す私たちには、すべての条文を最初から勉強していく時間はなく、超効率的に理解・暗記する必要があります。
今日示したように法律は条文の集まりであり、相互補完性が高いです。つまり知的財産法には、四法があり、さらに各法域の中にも大きなテーマがあり、その中の最小単位として条文が存在します。それら条文には、互いに関係するもの・対になるものがたくさん含まれているということです。
そのため、全体のイメージを体系的に掴んで初めて、部分部分の条文の位置づけや意味が分かる、ということも多いです。
そして関連する条文・対になる条文はまとめて学習することで、理解・暗記の時間短縮にもなります。
さらに体系的整理して暗記した知識は、アウトプットするときにも紐づいて引き出されます。これが弁理士試験の問題を解くときに役立ちます。
このように、まずは体系軸の視点で全体像を掴んだうえで、逐条軸の視点で各条文を深堀して、少しずつ理解度を上げていく方法が結果的に勉強時間を大幅に短縮することにつながるのです。
弁理士試験合格に必要な2つの視点を踏まえた具体的な勉強法
STEP1:体系軸で知的財産法の全体像を把握する
まず、各法域の全体像を把握して頭の中に大きな枠組みを作ります。
このとき、できるだけ条文そのものの言い回しではなく、自分の聞きなれた表現に言い換えて理解することが重要です。
知識ゼロから弁理士試験の勉強を始める場合、特に理系の私たちにとっては、一文が異常に長く独特の言い回しもあり外国語のように感じます。
条文に基づいた正確な言葉を暗記するのは、次以降のステップで構わないので、まずは全体のイメージを掴むことに集中します。
STEP2:全体像を意識しながら各条文の理解を深める
次にSTEP1で作った大きな枠組みの中に、条文ごとの知識を整理して深めていきます。
この勉強法において、STEP1とSTEP2を同時にやろうとしないことが最も重要です。
まずは全体像を把握することで、頭の中に知識を入れる引き出しが出来上がります。そのうえで条文ごとの知識を掘り下げて適切な場所にしまっていくイメージです。
1つ1つの条文のキーワードや、要件(主体、客体、時期、手続)・効果に着目したり、関連する趣旨や判例について学んだりして理解を深める際にも、常にSTEP1で作った大きな枠組みを意識して、今どの部分を勉強しているのかを考えながら行います。
STEP3:体系軸と逐条軸の両方を磨き続ける
STEP1、STEP2で体系軸→逐条軸の順で勉強を進めるべきと書きましたが、逐条軸の勉強にシフトしたら体系軸の視点は忘れていいのかというと、そういうわけではありません。
逐条軸の勉強を進めて、各条文の詳細のみにフォーカスしていると、条文同士の関連性や対比の観点が抜け落ちてしまうことになるので注意が必要です。
前述したように本番では両方の視点で問題を解く必要があるため、それまで両方を磨き続ける必要があります。
具体的には、理解するときには体系軸→逐条軸の順番に学習を進めるのが効率的ですが、試験が近づいて暗記に集中するときには、体系軸・逐条軸を並行して暗記していくことが必要です。
効率的な弁理士試験勉強のカギまとめ
効率的な弁理士試験勉強のためには、体系軸と逐条軸の2つの視点が必要不可欠です。
特に体系軸の勉強は独学では難しく、知財法の全体像を把握できるような予備校の教材・レジュメを活用するのが有効です。
今回紹介した体系軸・逐条軸の学習方法の視点で選んだ、おすすめ予備校・通信講座は下記の記事を是非見てください♥
また、体系軸・逐条軸をベースにした、弁理士試験勉強法の進め方については下記の記事で詳しく紹介しているので是非参考にしてください。
▼こちらの記事ではさらに具体的な勉強スケジュールを書いています!
この記事を読んで弁理士試験に立ち向かう基本的な考え方が伝われば幸いです。
これからも頑張りましょう!♥
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さくら🌸