このブログは、知識ゼロの特許初心者だった私が、OLとしてフルタイムで働きながら弁理士試験に一発合格した経験をもとに書いています!!
当記事は、弁理士の日記念ブログ2024企画に参加しています。本日、7月1日は弁理士の日です。
※企画の詳細は、ドクガク(弁理士内田浩輔)先生のこちらの記事をご覧ください。
私はこの素敵な企画に昨年から参加させていただいており、今年が2年目の挑戦です!
▼昨年の記事はこちらです!
▼この企画で当ブログに始めてきてくれた方へ
知財部で受けた教育
私自身、知財業界に入ってたくさんの教育を受けました。
▼私のバックグラウンド
上記の記事でも記載しているように、私は開発職を志してあるメーカーに就職したのですが、入社後すぐに知的財産部に配属されました。
それまでは知的財産に関して勉強する機会はほぼなく、まさに知識ゼロから会社の知財部で教育を受けることになった状況でした。
そして現在は、そんな私も教育をする立場になりつつあります…
知財部の仕事は多岐にわたります。知財の出願・権利化、他社の知的財産の調査・侵害予防、権利活用・紛争対応、知的財産戦略の立案…
▼詳しくはこちらの記事をご覧ください
知財部の仕事に必要な知識としては、主に「知的財産法に関する知識」と会社の製品が属する「技術に関する知識」があります。
このうち、「知的財産法に関する知識」についてどう教育するのかがとても難しいと感じます。これはOJTだけではなかなか身につかず、OFF JT的な教育が必要です。具体的には事務所や協会が主催する種々のセミナーを受講してもらったり、教科書を読んでもらったり、先輩社員と勉強会を開催したり…
今、私の会社ではこのOFF JTの一環として、弁理士試験の勉強をさせるのはどうかという案が出ています。
他社の知財部と意見交換した際にも、「新入社員が入ってきてから一定期間は実務をさせずに弁理士試験の勉強に集中させる」という会社や「弁理士資格取得を推奨し、予備校費用を会社が負担する」という会社の話も耳にします。
これは、「知財部員はどこまでの法律知識が必要なのか」、ひいては「知財部員には弁理士資格が必要なのか」と話にもつながってきます。
知財部員には弁理士資格が必須なのか
知的財産部員の中にも弁理士資格を持たずに活躍している方が多くいることから考えても、少なくとも「必須」ではないことは明らかでしょう。
例えば出願手続を例に取っても、知財部員自ら書類作成や特許庁への手続を行う企業もありますが、特許事務所に仕事を依頼する企業のほうが多いです。
知財部員は開発者と外部の特許事務所の橋渡し役になることから、専門的な知識は、外部の特許事務所にいる弁理士に聞けばよいという考え方もあります。
でも果たして、出願の相談を受けるたびに外部の弁理士に確認する知財部員なんて、開発者にとって信用に値するでしょうか?伝言ゲームか!と言われてしまいそうですよね…
個人的には、知財部員は弁理士資格を有する必要はないけど、弁理士試験の勉強はしたことある方がよいかなと思います
OFF JTとして弁理士試験勉強をさせるメリット
実務において重要な知的財産法に関する知識を体系的に学べる
弁理士試験に合格してから改めて思うこととしては、弁理士試験合格に必要な知識ってそれほどマニアックなものではなく実務に結び付くものが多いんですよね…
また勉強法に関しても弁理士試験の対策を行うことは知的財産法を学ぶ方法のうち、かなり効率的な方法だと感じます。
私自身、弁理士試験の対策以外にも上記したように、「社外のセミナーへの参加」「独学で基本書を読む」「先輩社員の勉強会に参加」などの方法でも知財法の勉強をしてきたのですが、どれもイマイチでした。。
というのも知的財産法の範囲は膨大で、セミナーのテキストや基本書の分厚さたるや…何が重要でどこを抑えなければいけないのかよくわからないのです。
その点、弁理士試験対策の教科書は弁理士試験に頻出のポイントに絞られています。弁理士試験は、知的財産法の専門家である弁理士になるための試験ですので、実務にとっても重要なポイントが多くあります。これらを体系的に効率よく学べるのが弁理士試験の勉強をするメリットだと思います。
また、予備校や通信講座の講師の説明を受けて知的財産法を学べることも大きなメリットだと考えます。
プロの講師の解説は論理的で理解がしやすいものです。これは自分自身が知的財産法を理解する際にももちろん役立ちますが、自分がそれを理解できた後にも役立ちます。
なぜかというと、そこには「自分より知的財産法に関する知識が浅い人間にどう説明すれば理解されるか」という観点で工夫しつくされた表現や言い回しが詰まっているからです。
私自身も弁理士試験対策で受講した予備校の講師の言い回しを受け売りして、開発者や知財部の後輩に説明することが今でも多くあります!
このように少なくとも自分が専門とする法域(特許 or 意匠 or 商標)については弁理士試験の合格ラインに立てる程度の知識は持っておいて損はないと思いますし、それらを学ぶ方法としては弁理士試験対策を行うことがベストだと思います。
弁理士資格を取得できる可能性がある
私自身は弁理士試験に一発合格できましたが、試験は水物。自分が合格できたのも運の要素が強いことも自覚しています。
上記のように仮に合格できなくても、合格を目指して勉強することには大きなメリットがあると思いますが、もし合格までたどり着ければ本人にとって大きなアドバンテージとなります。
企業の知財部としても資格保有人数はリクルートにおいて大きなアピールポイントになりますよね。
▼弁理士資格取得のメリットはこちらの記事でも紹介しています
「知財業界での教育」~知財部の実務と弁理士試験~まとめ
私自身の考えは、「知的財産部員にとって弁理士資格は必須ではないが、合格を目指して弁理士試験の勉強をすることは実務にもかなり役立つ」です。
そのため、私と同じように、知識ゼロの状態で知財部に入ってきた後輩を教育する機会があれば、OFF JTとして弁理士試験の勉強を勧めると思います。またOJTとして実務で教育する際にも弁理士試験でを通じて得た知識や言い回しを使って教育することになると思います。
他の知財部員さんの意見も聞いてみたいなあ.。〇
そして、昨年7月1日にこの企画に参加させていただいてから、もう早くも1年かあとしみじみ感じます。Xのフォロワーさんもブログの読者さんもかなり増えました。
これからもブログを継続し、来年も再来年もこのような素敵な企画に参加できるように精進します!
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さくら🌸