このブログは、知識ゼロの特許初心者だった私が、OLとしてフルタイムで働きながら弁理士試験に一発合格した経験をもとに書いています!!
弁理士試験の勉強を始めました!予備校で講座の申し込みをした時に次々と書籍を勧められました。特に法文集は3冊必要って…本当に全て必要なの?
今回は、弁理士試験に関する書籍の中でも最も重要な「法文集」について解説します♥
- 弁理士試験対策で使われる3種類の法文集の違い
- 弁理士試験に一発合格するための法文集の選び方
- 私の経験に基づいた法文集の使い方実例
この記事を読むことで、どの法文集を買って、どう使えば一発合格の近道になるかを知ることができます。
弁理士試験対策で使われる3種類の法文集
法文集と一言に言っても、各社から様々な種類の法文集が市販されています。
もちろん記載されている法律は同じなのですが、レイアウトや付録などが異なり、大きく分けて以下の3種類の法文集があります。
- 知的財産権法文集(基本法文集)
- 四法対照法文集(四法横断法文集)
- 弁理士試験法文集
弁理士試験を進めていく中で、それぞれの法文集を使用する有効なタイミング・使い方がありますので紹介していきます。
注意点としては、毎年改定版が発行されるので法改正に対応した最新版を購入することです。古い法文集で勉強すると合格が遠のくので注意してください!
知的財産権法文集(基本法文集)
知的財産権法文集(基本法文集)は、条文が順番に配置されている一番基本的な条文集です。
弁理士試験勉強の時だけでなく弁理士になってからもずっと活用していくことになります。
知的財産権法文集を出版しているのは主に下記の2社です。
- PATECH企画出版部 第30版 知的財産権法文集(令和5年10月10日発売)
- 発明推進協会 令和4年改正 知的財産権法文集(2023年4月発売)
発明推進協会の方にはPCT規則が掲載されていないので、弁理士試験対策としてはPATECH企画の方がおすすめです。
あとで書きますが、私は基本法文集は弁理士試験対策には必須ではないかな~と考えています。(小声)
四法対照法文集(四法横断法文集)
四法対照法文集は、特許法・実用新案法・意匠法・商標法が縦に4段に分かれて配置されている法文集です。
四法がどのように準用されているかが理解しやすく短答試験対策にぴったりです。
四法対照法文集を出版しているのは主に下記の2社です。
- PATECH企画出版部 第28版「産業財産権 四法対照」
- TAC弁理士講座 2024年度版「四法横断法文集」
どちらでも問題ないのですが、私はお手頃なのでPATECH企画の方を使っていました。高級感のある装丁もお気に入りです♥
この法文集を購入した時には思い出深い出来事があって…
みなさんはPATECH企画の読み方お間違えなく!笑
弁理士試験法文集
弁理士試験では論文試験、口述試験で法文集の参照が認められています。
弁理士試験法文集は、実際の弁理士試験で配布される法文集と同一内容、同一形式の法文集です。
2019年までTAC弁理士講座から出版されていたらしいのですが、残念ながら現状販売がなくなってしまったようです。
※下記リンクの商品は参考情報ですので見るだけで!再販希望です…
代わりに、予備校の模試で入手したり、メルカリで前年度の本試験の法文集を買ったりするのはありだと思います!
【体験談】弁理士試験に一発合格するための法文集の使い方実例
私が実際に3つの法文集をどのように活用したかと、経験を踏まえてのおすすめの活用法をご紹介します。
知的財産権法文集(基本法文集)
知的財産法文集は弁理士試験勉強の基本中の基本! LECの入門講座で登場した条文を辞書を引くような感覚で調べて、法文そのものの表現を確認することが必要だから是非買ってくださいね!!
私は弁理士試験の勉強を始める際、LECで説明会を受けた時にスタッフの方に購入を勧められて買いました。
でも、今振り返ってみると試験勉強ではほとんど使っていないんですよね笑
私がなぜLECで言われた通りの使い方をできなかったか理由を考えてみました。
勉強を始めたばかりの私にとって、法文集にのっている条文は読んでも全く頭に入ってこず、読み慣れない法律特有の言い回しに抵抗感だけが大きくなってしまったからです。
例えば…
特許法第 29 条の 2
特許法より
特許出願に係る発明が当該特許出願の日前の他の特許出願又は実用新案登録出願であつて当該特許出願後に第六十六条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した特許公報(以下「特許掲載公報」という。)の発行若しくは出願公開又は実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第十四条第三項の規定により同項各号に掲げる事項を掲載した実用新案公報(以下「実用新案掲載公報」という。)の発行がされたものの願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲若しくは実用新案登録請求の範囲又は図面(第三十六条の二第二項の外国語書面出願にあつては、同条第一項の外国語書面)に記載された発明又は考案(その発明又は考案をした者が当該特許出願に係る発明の発明者と同一の者である場合におけるその発明又は考案を除く。)と同一であるときは、その発明については、 前条第一項の規定にかかわらず、特許を受けることができない。ただし、当該特許出願の時にその出願人と当該他の特許出願又は実用新案登録出願の出願人とが同一の者であるときは、この限りでない。
入門講座を受け始めたばかりの初心者にとって最初にこれを読むことに何の意味があるんでしょう!(決してLECに牙をむいているわけではないです)
条文の言葉どおりの勉強は、ある程度知的財産法の全体像が見えてきてからの方が効率的というのが私の考え方です。
勉強を始めたばかりの頃は、予備校のレジュメなど口語体の基本書で知的財産法の全体像をつかむことを優先し、全体像が見えてから条文そのものの表現に触れることで抵抗感がなくなると思います。
LECの「1年合格ベーシックコース」を例に取ると、入門講座のような「知財法の全体像をつかむための講座」が終わり、短答基礎力完成講座のような「条文ごとの理解を深めるための講座」に進む頃から法文集を使用するのがおすすめです。
▼LEC「1年合格ベーシックコース」を使う具体的な勉強法はこちらの記事
しかしその時点になると、基本法文集よりもむしろ、次に紹介する四法対照法文集の方が活躍すると思います。
そのため私なりの一発合格を目指す方法においては、この3冊の中では基本法文集は一番重要度が低いと考えています。
一方で弁理士になってからは、基本法文集に毎日のようにお世話になっています♥
四法対照法文集(四法横断法文集)
四法対照法文集は、短答試験対策として大活躍しました。
入門講座のような「知財法の全体像をつかむための講座」が終わり、短答基礎力完成講座のような「条文ごとの理解を深めるための講座」に進むフェーズで使用しており、この使い方はみなさまにもお勧めできるので紹介します。
弁理士試験の短答試験のような暗記ものの試験では、情報を1つに集約し、これさえ頭に入っていれば(=これを見ながら受験すれば)合格できる!と確信を持てるツールが重要です。
四法対照法文集は、勉強の過程で情報を書き込んでいくことによって、そのようにとても有効なツールになります。
つまり私は、四法対照法文集を暗記ツール(自分専用まとめノート)として使用していました。
自分専用まとめノートについては下記の記事をCHECKしてみてください♥
四法対照法文集は、基本法文集と比べて余白が多くどんどん書き込めるため、条文以上の情報も一緒に暗記しやすく効率的です。
ちょっと恥ずかしいですが、当時私が実際に使用していた四法対照法文集の一部の写真を載せます…
使ってるボールペンや蛍光ペンが気になった方はこちらの記事をご覧ください♥
四法対照法文集を使うタイミングや弁理士試験におけるツールとしての位置づけは下記の記事で詳しく紹介しているので是非参考にしてください♥
私はまず、LECの短答基礎力完成講座のレジュメで出てくる、下記のような重要な観点をどんどん書き込んでいきました。
- ポイントとなる用語の定義
- 適用要件の区切り
- 他条文や他法との関係性(準用・非準用)
- 条文の趣旨
- 関連する判例
条文の趣旨や判例は、この余白でも書ききれないので、「趣旨」とか判例名のみ記入しています。そして、その具体的な内容は別紙に書いておき、一緒に持ち歩いていました。
別紙は例えばこんな感じです。この方法は条文の言葉をとっかかりにして、条文にない趣旨や判例を思い出す練習にもなるので論文試験対策にも有効な方法です。
注記忘れてましたが、ブログに載せる私が使っていたノートの写真、中身そのまま使わないでください〜!🥹私の受験時から法改正されてる箇所や、私自身間違えてる箇所もあるかもなので🙇♀️
— OLさくら🌸弁理士試験一発合格ブログ (@sakura_benrishi) January 10, 2023
字も汚いので使う人いないと思いますが念のため🤪
あくまでまとめ方の参考にしてほしい意図で載せてます🫶
さらに、この四法対照法文集を見ながら問題集や過去問を解いてみて、解けなかった場合には必要に応じて情報をどんどん追記していきました。
こうして、これを見ながら受験すれば合格できる!と思える自分専用まとめノートに近づけていきました。
追記が完了した後は、ひたすら暗記です。暗記するときには、条文ごとに縦読みしていました。
四法対照法文集は、特許法・実用新案法・意匠法・商標法のそれぞれが縦に4段に分かれて配置されているため、各条文が特許法のどの条文に準拠しているかを整理して暗記するのに役立ちます。
私は、下の写真のようにインデックスをつけて、勉強したい章にすぐアクセスできるようにして試験前日まで何回も読み直しました。
ちなみに私は使用していませんでしたが、PATECH企画出版部から「産業財産権 四法対照整理ノート」というものが販売されています。
四法対照法文集にはたくさん書き込みをしていくことになるので、字が大きい方やもっと余白が欲しい!という方はこちらも使いやすいと思います。
このように大きく(ほぼ180°)開いて使用できるので書き込みしやすそう…!!
弁理士試験法文集
弁理士試験法文集は、論文試験・口述試験の対策として活躍するので、論文試験の勉強を始める時期に購入するのがおすすめです。
使い方としては自宅で模試を受験する際に活用できると思います。試験当日に使用する法文集と同じ形式の法文集を使用することで緊張感を持って模試を受けることができます。
でもTAC弁理士講座から出版されていた試験法文集は現状販売されていません。メルカリで前年度の試験用法文集を購入したり、模試で入手したものを活用したりするのがいいですね。
弁理士試験一発合格を目指すための法文集と使い方まとめ
ここまで紹介してきた通り、私のおすすめは四法対照法文集を使いこなすことです。
効率よく勉強してみなさんも弁理士試験に一発合格できることを祈っています!
法文集以外にも弁理士試験に一発合格するのに十分な予備校講座・教材については下記の記事にまとめてるので是非読んでください!
ご質問があれば、コメント、お問い合わせページ、TwitterのDMからお気軽にどうぞ♥
また、新着記事更新時などTwitterで発信しますので是非フォローもよろしくお願いします!
さくら🌸
はじめまして。
弁理士を目指しているまさです。
厚かましいお願いですが、
一度お話を聞かせて頂けませんでしょうか。
試験の事や勉強方法などお聞きしたいです。
宜しくお願い致します。
まささま♥
コメントありがとうございます!弁理士を目指されているとのこと、応援いたします。
ご質問はコメント・問い合わせフォーム・TwitterのDM等でいつでも対応させていただきますので是非よろしくお願いします。
こんばんは。
TwitterでDMが送れませんでしたので、こちらで質問させて頂きます。
過去問を解く時は都度法文集を確認されますでしょうか。また、四法関連する条文を全て確認されますでしょうか。
まささま♥
TwitterのDM設定間違っていました。発信し始めたばかりで慣れておらず申し訳ありません。
過去問を解く中で正解かつ正解の理由が明確に分かっている場合には、わざわざ法文集を参照しませんでした。
私は過去問を解きながら暗記というよりは、過去問を解くことで合格に必要な知識を確認する、という使い方をしていたのでじっくり法文集と見比べたりはしていないですね。
このあたりの勉強法もまた更新しますね!