このブログは、知識ゼロの特許初心者だった私が、OLとしてフルタイムで働きながら弁理士試験に一発合格した経験をもとに書いています!!
弁理士試験の合格率を調べてみたんですが、低すぎて弱気になっています。
合格できるのは宇宙人レベルの天才だけですよね?!
私も弁理士試験を受けようと決めた時、そう思いました。でも一発合格した今考えると、体感の合格率は実際の数値ほど低くなかったと感じます。
この記事では、弁理士試験の「合格率」について深堀します♥
- 弁理士試験統計からわかる合格率が低い理由3つ
- その理由からわかる、弁理士試験に合格するために必要なこと
- 私が感じた体感の合格率
この記事を読むことで、なぜ弁理士試験の合格率は極端に低いのかイメージでき、誰でも合格できるチャンスがあると自信を持てると思います!
弁理士試験の合格率は極めて低い
弁理士は理系最高峰の資格で難易度がとても高いと言われています。
特許庁によると、令和5年度(2023年度)の最終合格率は6.1%でした。
年度により合格率には変化があるものの、近年は6~10%程度に落ち着いています。
この数字だけを聞くと、弁理士試験に合格できるのは一部の天才だけで自分には到底無理だ…と諦めてしまいそうになりますよね。
弁理士試験は試験範囲が非常に広く、深い専門知識が求められるため、難易度は確かに高いです。
▼弁理士試験の概要
一方で、弁理士試験の合格率が極端に低い理由は、試験の難易度が高いだけではないと考えています。その理由を理解し、しっかり対策すれば誰でも合格できるチャンスがある試験です。
弁理士試験と司法試験との合格率比較
弁理士は”理系の弁護士”と言われることもあります。では司法試験の合格率と比較して弁理士試験の合格率はどうなのでしょうか。
令和5年度(2023年度)の司法試験の合格率は45.34%でした。
直近10年あたりは20~30%前後で推移していましたが、ここ3年間は合格率40%を超えるまで大きく上昇しています。
数字だけを見ると、司法試験の方が易しいということになってしまいますが、そんなはずはないですよね。
それでは、弁理士試験の合格率が極端に低い理由を考察してみましょう。
弁理士試験統計から見える合格率が低い理由
私が考える、弁理士試験の合格率が極端に低い理由は以下の3つです。
- 仕事をしながらの受験者が多いから
- 受験生の年齢層が高いから
- お試し受験生も多いから
統計を見ながら順番に解説していきます。
仕事や家事・育児をしながらの受験生が多いから
令和5年度の弁理士試験受験生のうち、専業受験生(無職・学生)の合計は全体の13.8%でした。残りの受験者は仕事をしながら弁理士試験の勉強を並行して行っている兼業受験生ということになります。
特にフルタイムで仕事をしながらの受験勉強は、勉強時間の確保に苦労します。
この点が、大学在学中に試験勉強を行う司法試験などとは異なります。
また、弁理士試験の受験者の年齢層は、30代・40代が多く受験生全体の半数以上を占めます。この年代は結婚・出産や子育て、介護などが重なる時期のため、仕事に加えてこれらのライフイベントによっても勉強時間の確保が難しくなる傾向にあります。
このように勉強時間をうまく確保できないケースが多いことが、司法試験に比べて合格率が極端に低い一因です。
このことから、まず弁理士試験の合格率が極端に低い原因は勉強時間の問題だとイメージできると思います。
その勉強時間の確保が難しいんだよ~
という声が聞こえてきますが、その点は効率的な勉強方法、勉強時間の確保のノウハウなど発信していきますので是非参考にしてください。
残りの2つの理由は、「極端に合格率の低い特定のグループがいることで全体の合格率が下がっている」というポイントです。ここが、弁理士試験合格率の”数字のカラクリ”と私が考えているところです。
受験生の年齢層が高いから
さきほども年齢別内訳を示したように、弁理士試験の受験生の年齢層は思った以上に高いんです。30代・40代が中心で、次いで50代の受験者もたくさんいます。
その原因の1つとして新卒採用で知財職や特許事務所へ就職する人が少ないことが関係していると考えます。
知財業界にいると、社会人人生のスタートが知財職だったという人に出会うことはとても少ないです。ほとんどの方が元は開発者や技術者出身で途中で知財職に転向といったキャリアチェンジをされています。
理系の大学・大学院の卒業生のメジャーな就職先は、やはりメーカーの研究開発職です。新卒就職時には、知的財産職という仕事を知らない学生も多いと思います。
そのため、一度就職してから開発者を経験し、一定の年齢になった時に、何らかの理由で知財に関する仕事に転換したり興味を持ったりする人が多く、そこが弁理士試験受験のタイミングになるため、受験生の年齢層が高くなると考えます。
私も、試験会場に行って「おじいさんがたくさんいる……!!」とびっくりしました。おじさん、ではなく、おじいさんですよ!(失礼)
そこで、令和4年度の弁理士試験合格者統計をもとに年齢層別の合格率を計算してみました。
年齢層 | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
10代 | 11 | 0 | 0 |
20代 | 609 | 59 | 9.7 |
30代 | 986 | 89 | 9.0 |
40代 | 847 | 25 | 3.0 |
50代 | 615 | 14 | 2.2 |
60代 | 272 | 0 | 0 |
70代 | 70 | 1 | 1.4 |
80代~ | 7 | 0 | 0 |
このように全体の合格率が6.1%でも若い方の合格率はそれほど低くなく、20代・30代に限って言えば合格率が10%近くあるんです。
当然、年齢が高くなれば記憶力が低下します。弁理士試験は試験範囲が膨大で暗記量が多い試験ですので、高齢での受験は不利です。
つまり弁理士試験の合格率を50代以上の高齢の方が引き下げてしまっていることがわかります。
逆に言えば30代以下の方にとっては、受験生全体の合格率を見た時ほど悲観的になる必要はないということです。
そして、一刻も早く少しでも記憶力が高いうちに、試験勉強を始めることが合格の秘訣です!
お試し受験生も多いから
特許庁のデータによると、令和5年度の弁理士試験合格者の平均受験回数は2.8回です。
私自身は一発合格だったのですが、合格後に知り合った複数回受験後の合格者の方々に聞くと、1回目はお試し受験だったという方がかなり多いです。
お試し受験生が多くなる理由はどうしてでしょうか。
試験勉強がスケジュール通りに終わらなかったケース
弁理士試験は試験範囲が膨大で、計画通り勉強を進めないと本試験までに十分準備が終わりません。またこれまで説明してきたように勉強時間を確保するのが難しい世代の受験生が多いです。
自分が受験する予定の年にゴールを定めて勉強していたのに、途中で「あれ…これ間に合わないぞ?」となる方も多いです。それでもせっかく途中まで勉強したし、現時点の実力を試す意味でもダメもとで受験してみよう!と考えて、お試し受験するケースが多いです。
目標とする合格年前のリハーサルとするケース
司法試験では最終合格に向けて大学入学からみんな一斉に勉強を開始し、知識を積み重ねていきます。
一方で弁理士試験の勉強を開始する時期は、人それぞれです。弁理士試験の存在を知り、受験を決意するきっかけがいつだったのかによりますよね。
弁理士試験対策には少なくとも1年の勉強期間は必要とされており、多くの予備校・通信講座ではちょうど1年で合格を目指すコースが多く設定されています。
前年の5月ごろに受験勉強を開始した場合は短答試験までに1年の勉強期間が確保できるので、次の本試験での合格を目指します。しかし、それ以降の中途半端な時期に受験を思い立った場合、直近の本試験まで1年もありません。
その期間では十分な準備は難しいため、勉強を始めて最初にやってくる本試験のタイミングでの合格はあきらめざるを得ず、そのさらに次の年の本試験に照準を合わせて勉強することになります。
そういったケースで、その年の合格を全く目標としていない人でも、リハーサルのためにとりあえず受験してみるか!という方は多いです。
極端に言えば、短答試験のつい2か月前の3月に勉強を始めて、リハーサル受験している方も多分います。
弁理士試験は年に1回しかないので、来年の受験本番に向けて会場の雰囲気を味わっておきたいという人が多いようです。短答試験を受けるだけなら、受験料12,000円と少額の交通費で済みますしね♥
このように自分でも合格できるレベルに達していないとわかりながら、お試し受験している人はかなり多いということです。
そのため、しっかり1年以上の勉強期間を確保してスケジュール通りに全範囲を勉強し終えた段階の受験生に限れば、その合格率はかなり高くなるだろうと考えます。
低い合格率を覆し合格するために必要なこと
ここまで分析してきた、弁理士試験の合格率が極端に低い理由を踏まえて、どうすれば自分が合格率を下げる側に回らないで済むのか考えてみました。低い合格率を覆し合格するために必要なことは次の3つです!
勉強時間を確保すること・効率的に勉強すること
まずは勉強時間をしっかり確保することに限ります。仕事が激務であること、育児や介護に追われていること…勉強時間を確保できない言い訳はいくらでもできます。
一方で統計からもわかるように他の受験生も多くは仕事や家事・育児を行いながら受験勉強を行っているため、みんな勉強時間の捻出に苦労しているはずです。
少しでも早起きする、趣味の時間を我慢するなどして勉強時間を確保することで回りと差をつけることができます。
また、勉強時間が短くても合格するためには効率的な勉強が不可欠です。弁理士試験の独学合格は不可能ではありませんが、極めて難しいです。そして働きながら短期合格を目指すのであれば独学は絶対におすすめしません。
無駄な回り道を回避して、合格までに必要な勉強時間を大幅に短縮するためには、予備校・通信講座の活用が必須です。
▼弁理士試験対策の予備校・通信講座の選び方
そして予備校・通信講座を活用するだけでは足りず、それらを最大限活用して効率よく勉強する必要があります。その方法をこのブログで知っていただきたくて発信しています!
▼弁理士試験の効率的な勉強の進め方
少しでも早く勉強を始めること
弁理士試験は若ければ若いほど有利です!弁理士試験を受けるか迷っている方は下記の記事を読んでできるだけ早く決心を固めることをおすすめします♥
弁理士になったらどんな仕事ができるか?は下記の記事で紹介しています。こちらも受験の判断になると思います。
弁理士試験は少しハードルが高いな…と思われる方は、まずは知財検定を受験してみてから弁理士試験に挑戦するか決めるのがおすすめです。
弁理士試験を受けようか迷っている時間がもったいないのでまずは、予備校の資料請求だけでも行ってみてはいかがでしょうか?
スケジュール通りに勉強すること
せっかく試験勉強を始めて勉強時間を確保しても、スケジュールの立て方が甘いと、あなたも”お試し受験生”になって、弁理士試験の合格率を引き下げる側にになってしまいます。
自分が勉強を開始した時期によって、現実的な合格目標を設定し、逆算して勉強スケジュールを立てましょう。
私自身はこのブログで勉強期間1年~1.5年を想定した勉強スケジュールを紹介しています。
▼この通りに勉強すれば絶対一発合格できる!って思える超具体的なスケジュール
弁理士試験に一発合格した私が感じた体感の弁理士試験の合格率
最後に、紹介した3つのポイントをしっかり抑えればどれくらいの確率で合格できるか考えてみました。
つまり…
- 学習時間を十分に確保し、効率的に勉強した
- 30代半ば以下の年齢で受験した
- スケジュール通り全範囲を勉強した(お試し受験生でない)
に当てはまる場合にはどの程度の合格率になるのかを考えてみました。
当時、一緒に勉強していた受験生のうち上記をすべて満たす人は、約2人に1人は最終合格しました。そのため語弊を恐れずに言うと体感は約50%の合格率ということです。
あなたも弁理士試験に合格できるチャンスはある!
弁理士試験の合格率にはカラクリがあり、一部の天才しか合格できないような試験ではありません。
あの頃の自分のように「こんな合格率じゃ私が合格するなんて無理だ…」と自信を無くすことだけはしてほしくないと思っています。
私にも合格できるかも、と少しでも前向きになってくれた方は是非下記の記事を参考に受験勉強を始めてみてください♥
合格のためには1日も早く試験勉強をスタートさせて勉強時間を確保することが必要です!
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さくら🌸